ねこすき すこ 雑多手記

感動・感銘を忘れないために書き記していきます。

ギャングアワーについて 前書き

舞台『ギャングアワー』が閉幕しました。千秋楽にも行けました。千秋楽…観ることができて本当に本当によかった…。

 

さて、感想というか妄想というか、作品自体についてもキャラクター一人一人についてもぐるぐる考えてしまいました。

なのでこれからキャラクターについて一人一記事ずつ書いていこうと思います。長かったり短かったりはしますが、もちろん全キャラクター大好きです。順番は前後します。

 

作品のネタバレが含まれますので、ご注意ください。

舞台『ギャングアワー』感想(箇条書き)※ネタバレ注意

『ギャングアワー』という舞台を観てきました。最高です。大好きです。とりあえず冷めやらぬうちに、感想を箇条書きで。ネタバレ注意です。

 

①作中の好きなシーン

(1)オープニング

・始まる前の音楽がどんどん大きくなって音が増えていく演出がワクワクさせられて好きです。 

・田中くんの洋服のしわの動きまで計算してるんじゃないかというくらい緻密な動作。細部まで作りこまれたアニメーションのよう。

・田中くんのスポットライトが当たった時の表情の移り変わり。頭が切れる巻き込まれキャラだとすぐにわかる。

・赤羽のナイフをなめた後口を押えるしぐさ。赤羽の考えなしなところが現れている。その後いっさい赤羽はナイフを使わないのにオープニングのこの動作でキャラを出すためにナイフが使われているところも好き。

・田中くんを連れて舞台後方にはける際にすでにアラレちゃん走りをしている赤羽…細かいところまで本編とつながっていて驚きました。

・一人だけほかのキャラとの絡みなしに登場するホームレスさん。彼だけ照明の色が特殊で印象強い。この人がどう関わるのかOPから気になる。

三鷹さん登場シーンのしゃきっとした動きの高田・渋谷・赤羽・大崎。作中では四人それぞれ三鷹さんに対する態度が異なるが、ここでは全員そろうことで上下関係が一目でわかる。

・鮫洲くん登場のときに鮫洲くんのほうを見る渋谷さん…鮫洲くんに対して何かしら思いがあるのが読み取れる。

・鮫洲君が後ろを向いたタイミングで正面を向く渋谷さん。このシーンがオープニングで一番好き。後々二人が違う方に進むことを暗示しているようにも見えるし、何よりもかっこいい。

・オープニングでは音楽にのせてそれぞれのキャラクター性・立場がテンポよく分かりやすく表されている。目上の人にぺこぺこしたりする場面もあるのに、すべてのキャラクターがかっこよく見える。何回も繰り返し見たいくらい好き。

 

(2)作中の好きなシーン(アクション以外)

三鷹さんの「お前みたいに自分を変えたいっていう変わり種もいる」というセリフで少し笑っているところが部下に対する思いやりが早くも見える。

・渋谷さんの「あいつらは…馬鹿です」の言い回しが毎回変わる。静かに言うと深刻そうで、必死に言うと焦りが見えて面白い。

・鮫洲くん登場シーンで照明が紫色になるのが大好き。鮫洲くんの危ない雰囲気にも、渋谷さんの鮫洲くんに対する不安のようにもとれる。

・ホームレスさんにもらった食パンを食べている高田さん。毎回気になっていたのですが、口が渇いたりしないのでしょうか…?

・赤羽の「こんにチワワ!」のあとチワワっぽいしぐさをするのと笑いながらアラレちゃんポーズをする鮫洲くんがかわいいです。

・まだ仲良くなってもいない田中くんを気遣う大崎君。すでにいい人。

・田中くんの目をふさいであげる大崎君。

・思いっきりほめてください!の大崎君。無理。観客は褒めてます。

・怖い人に囲まれてもシャキシャキした動作で命乞いする田中くん。図太い。好きです。

・誘拐した青年が田中だと判明するシーン!コミカルでリズムよく進むのが心地よくて大好きです。田中くんの表情の推移が素晴らしかったです。ここで田中くんがバーンとふたりの失敗を見破るのですが、赤羽にだけ詰め寄って大崎君は責めない。もう友達認定しているのでしょうか。

・少し飛んで一回目の電話シーン。渋谷さんが電話している後ろで鮫洲くんに煙草の灰をかけてソファからどかす三鷹さん。お茶目などかし方でほほえましかったです。証明の影になっているところでも飽きさせないお芝居で、目が忙しいくらい楽しみました。

・ホームレスさんの再登場。銃さばきが本当にかっこいい!大崎君を盾にする田中くんにもクスッとしました。生き残りたいんだなあと。ホームレスさんが渋谷さんから銃を奪ったときは思わずおおっ!と声が出そうになりました。お芝居だとはわかっていても、ホームレスさんすごい!と思ってしまいました。

・証明が暗くなり、渋谷さんが三鷹さん・高田さん・鮫洲くんのそれぞれとお話しするシーン。あのシーンの照明が暗いのは薄暗い廊下だけを表しているのではなく、渋谷さんの悩みの出口の見つからない様子も表していたのでしょうか。鮫洲くんの渋谷さんへの執着というか、特別視している様子が顕著に表れているシーンでもあると思いました。このときの鮫洲くんの「友達」という言葉が、ラストシーンでまた思い出されて切なくなります。

・また少し飛んで、田中くんがトイレに行くシーン。トイレに行く前と帰ってきた時でまるで違う雰囲気を表情と姿勢で表現されている…。決して大げさなしぐさではないのに緊張感が伝わり、思わず息をのみました。

・大崎君に人違いを打ち明けられるシーン。「三鷹さんを欺けと…?」と言う渋谷さんの声の震えに彼の懊悩の深さが垣間見えて、こちらまで苦しくなりました…。でもしっかり部下を助けてくれる渋谷さん。本人はいろいろへこんでいますが、赤羽大崎田中三人から見れば誰よりも頼もしい存在だったと思います。

・二回目の電話シーン。ホームレスさんの迫真の演技!あのシーンでどれだけ拍手を送りたかったか…。ホームレスさんが上手い立ち回りをするたびに、お芝居だということを忘れそうになります。純粋にドキドキしました。

・一難去って鮫洲くんに計画がばれるシーン。ここからの照明の移り変わりが本当に好きです。影が強く出るビビッドな色彩。鮮やかな色なのに不安になります。最高です。「自分の利益のために人を殺してみなよ。きっと変われるよ。」この鮫洲君の言葉が渋谷さん絡めとるように見えて、ぞっとしました。とても印象的なシーンです。

・赤羽が田中くんを逃がした後、舞台上を整えるシーン。時計の音とライトの点滅が緊張と時間の移り変わりを肌で感じさせました。この後起こるのが決して良いことではないことも、ブルーの色彩から感じられます。

三鷹さんの銃を借りる大崎君…。泣きそうになりました…。絞り出すような大崎君の声に胸を締め付けられます…。

・大崎君のピンチ。大崎君が殺されそうになっても鮫洲くんに銃を向けない渋谷さんに、無理矢理に近い自分を変えるという意志を感じます。そしてここでまたホームレスさん!かっこいいです!ギャング相手に有無を言わさぬ迫力!ところで銃はどこから調達したのでしょう。この直後にちゃっかり銃を拾う田中くん、やっぱり図太くて好きです。

 

アクションシーン

・「鮫洲!!!!」三鷹さんのここ一番の叫び。上に立つものとして、ギャングとしての強さが声に込められているようでビリビリしました。そしてここまで来ても渋谷さんに撃たせようとする鮫洲君。彼の目的は本当に渋谷さんが変わることなんだと思いました。

・そして瞬きできないアクションシーン…!陰影の濃い照明、大音量の音楽、夢中で観ずにはいられませんでした。三鷹さんのどっしり構えた動きと鮫洲くんの身軽な動きが二人の体重の差に見えました。繰り出されるパンチ、鮫洲君の目つぶしももちろん好きなのですが…個人的に二人の顔面キックが大好きです。三鷹さんの革靴ヤクザキック、鮫洲くんの膝蹴りに回し蹴り。どちらもかっこよくて大興奮でした。それから戦闘中もホームレスさんや田中くんの台詞が入るのも好きです。他のキャラクターが置いてけぼりを食らっていない。鮫洲君のナイフが出てきて戦況が変わってからも見どころがあまりにもたくさんあって…。鮫洲君が壁際の渋谷さんにちょっかいを出すところも好きです。三鷹さんの傷に指を突っ込んで手を眺めるところは血糊もないのに血が目に見えるようでした。

・それまでへたりこんでいた渋谷さんが鮫洲君に銃を向けるシーン。鮫洲君の「結局おれひとりかよ」。切なくなりました。渋谷ちゃんは友達で、せっかく手を組むことができたのに。「渋谷ちゃんには撃てないさ」には、渋谷さんへの侮りが半分、自分を撃ちはしないという信頼のようなものが半分だった気がします。「人を殺せば人生が変わるって言ったのは、お前だぜ」。この言い回しが静かだったのも、とても切なかったです。撃たずに済むなら撃ちたくなかったのかもしれないと思わされました。そして渋谷さんが人を殺したのは、結局彼だけの利益のためではなく、三鷹さんを助けるためでした。彼は彼らしく変わったのだと思いました。無理矢理、全く違う自分になったのではなく、渋谷さんは渋谷さんのまま、ひとつ上に、前に進んだのです。泣きました。

 

アクション後

・新チーム結成後、高田さんの裏切りが発覚するシーン。ここの高田さんの口調が苦し気になるところが好きです。今まで一番余裕だった高田さんの限界が現れていると思いました。

・渋谷さんの一番好きなシーンが高田さんへの反撃シーンです。高田さんに対する口調から今まで接しやすい上司だったのがうかがえますし、その接しやすかった元上司相手にひるむことなくしっかり立ち回る渋谷さんに確かに強くなったんだなあと…感動しました…。ホームレスさんのまねをして高田さんから銃を奪った直後の渋谷さんの表情がもう大好きです。すっきりした顔で笑っていて、こちらまで胸が晴れました。

・日替わりゲストさんが登場する鈴木君のシーン。毎回毎回本当に全く違った楽しみがあるので本当に面白かったです。個人的に一番好きだったのは好井まさおさんがいらした回です。もちろん皆さま大好きなのですが、やっぱりシャムシェイドの件が忘れられません…本当に本当に楽しかったです。ゲストさんに合わせて加入のタイミングを変える田中くん。大変そうでしたが楽しそうでほっこりしました。

・ラストシーン。赤い光と一緒に笑いながら闇に包まれていく鮫洲君。彼の狂気がより深まっているような印象でした。もし続編があるのなら、続編を観ることがかなうのなら、鮫洲君が渋谷さんに再会したときどんな言葉をかけるのか、聞いてみたくてたまりません。

 

 

感想

ギャングものも任侠ものも観たことがなかったので、まさかこんなに楽しいとは、まさかこんなに虜になるとはと自分で驚いています。キャラクター一人ひとりへの愛着も、ストーリーの楽しさも、観るたび観るたび深まる一方で、飽きるということがありませんでした。本当に、最高です。何か一つの作品が終わってしまうのが寂しいと感じるのは初めてです。もう二度と同じものを観ることができない舞台ならではの感覚なのかもしれません。塩田康平さんがカーテンコールでおっしゃっていた映画化ですが、心の底から応援しています。また観たいです。最後に、こんな素晴らしい作品を作ってくださったスタッフ様、キャスト様のお一人お一人に、感謝します。本当にありがとうございます。とっても楽しかったです。ギャングアワー、大好きです!!

 

ブログ始めました

心の底から大好きだと思える作品に出合いました。感想も感動も溢れて溢れて止まりませんでした。お手紙を書いて、その作品を作った方に届けることはできたけれど、手紙に書ける量には限界がありました。

 

私の感動の量に手首が負ける。手書きの手紙で収まるものじゃない。でもどこかでこの感動を出さなければ。自分の中だけでこねくり回していてはだめだ。

 

そう思ってブログをはじめました。ここにはわたくし、ねこすき すこ が、感動したもの、感銘を受けたことなどについて思いのたけを書いていきます。熱が冷めないうちに。